風林火山(孫子)

孫子 風林火山

風林火山
孫子の名言

今回は、孫子の兵法の一節で名言の一つでもある「風林火山(その疾きこと風のごとく、その徐かなること林のごとく、侵掠すること火のごとく、動かざること山のごとく)」という言葉について見ていきたいと思います。

「風林火山」の一節

兵は詐をもって立ち、利をもって動き、分合をもって変をなすものなり。

ゆえにその疾きこと風のごとく、その徐かなること林のごとく、侵掠すること火のごとく、動かざること山のごとく、知り難きこと陰のごとく、動くこと雷震のごとし。郷を掠むるには衆を分かち、地を廓むるには利を分かち、権を懸けて動く。迂直の計を先知する者は勝つ。これ軍争の法なり。

「風林火山」は、孫子の兵法の第七章「軍争篇」で出てくる一節です。この「風林火山」の一節を現代語に訳してみましょう。

「風林火山」の現代語訳

用兵は敵の裏をかくことが基本である。利益のある無しに従って行動し、離合集散しながら柔軟に陣形を変える。

軍は、風のように素早く動き、林のように静かに進み、火が燃えるように一気に侵略し、山のようにどっしりと構えて動かず、暗闇のように存在を知られず、雷のように激しく攻撃するようのものだ。敵の領土から略奪する時は軍を分散させ、領土を拡大する時は利益を配分し、損得勘定を計算して動く。そして「迂直の計」を知っている者が勝つ。これは「軍争」の原則である。

これが現代語訳になります。

「風林火山」の解説

孫子の「その疾きこと風のごとく、その徐かなること林のごとく、侵掠すること火のごとく、動かざること山のごとく」の部分を略して「風林火山」と呼ばれています。「風林火山」といえば、戦国時代の武将 武田信玄の旗印で NHK の大河ドラマのタイトルにもなったことがあるので、聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。

「風林火山」は軍の陣形や行動について説いた言葉で、その時々の状況に応じて臨機応変に対応していくことの重要性が書かれています。現代のビジネスにおいても、定形にこだわらず、相手や状況に応じて柔軟に変え、相手の裏をかくことが “用兵” の基本と言えるでしょう。

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