実を避けて虚を撃つ(孫子)

孫子 実を避けて虚を撃つ

実を避けて虚を撃つ
孫子の名言

今回は、孫子の兵法の一節で名言の一つでもある「実を避けて虚を撃つ(じつをさけて きょをうつ)」という言葉について見ていきたいと思います。

「実を避けて虚を撃つ」の一節

兵の形は水に象る。水の形は高きを避けて下きに趨く。兵の形は実を避けて虚を撃つ

水は地に因りて流れを制し、兵は敵に因りて勝ちを制す。ゆえに兵に常勢なく、水に常形なし。よく敵に因りて変化して勝を取る者、これを神と謂う。ゆえに五行に常勝なく、四時に常位なく、日に短長あり、月に死生あり。

「実を避けて虚を撃つ」は、孫子の兵法の第六章「虚実篇」で出てくる一節です。この「実を避けて虚を撃つ」の一節を現代語に訳してみましょう。

「実を避けて虚を撃つ」の現代語訳

軍の態勢は水のようなものである。水の流れは高いところを避けて低いところへと流れるが、軍の態勢も、敵が備えをする「実」の部分を避けて、備えが手薄な「虚」の部分を攻撃する

水は地形によって流れを決めるが、軍も敵軍の態勢に応じて勝利を決する。だから軍には決まった勢いというものがなく、決まった形もない。敵の出方によって変化して勝利を得る。これこそ計り知れない神業である。陰陽五行において常に勝ち続けるものはないし、四季はいつまでも留まることがない。日の長さには長短があり、月には満ち欠けがあるのである。

これが現代語訳になります。

「実を避けて虚を撃つ」の解説

「実を避けて虚を撃つ」とは、相手が備える「実」の部分を攻めるのではなく、備えの手薄な「虚」の部分を攻めるべきという意味になります。

相手の出方を見て、備えが手薄な部分を見つけ出し、その状況に応じて臨機応変に行動することが勝利確率を上げ、負けない為に必要なポイントになります。

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