兵を知る者は動いて迷わず
孫子の名言
今回は、孫子の兵法の一節で名言の一つでもある「兵を知る者は動いて迷わず」という言葉について見ていきたいと思います。
「兵を知る者は動いて迷わず」の一節
わが卒のもって撃つべきを知るも、敵の撃つべからざるを知らざるは、勝の半ばなり。敵の撃つべきを知るも、わが卒のもって撃つべからざるを知らざるは、勝の半ばなり。敵の撃つべきを知り、わが卒のもって撃つべきを知るも、地形のもって戦うべからざるを知らざるは、勝の半ばなり。
ゆえに兵を知る者は動いて迷わず、挙げて窮せず。ゆえに曰く、彼を知り己を知れば勝乃ち殆うからず。天を知り地を知れば勝乃ち窮まらず。
「兵を知る者は動いて迷わず」は、孫子の兵法の第十章「地形篇」で出てくる一節です。この「兵を知る者は動いて迷わず」の一節を現代語に訳してみましょう。
「兵を知る者は動いて迷わず」の現代語訳
味方の状況が攻撃すべき状況だとわかっていても、敵の状況が攻撃してはならない場合がある。それがわからなければ、必ず勝つとは限らない。敵の状況が攻撃できる状況だとわかっていても、味方の状況が攻撃をかけてはならない場合がある。それがわからなければ、必ず勝つとは限らない。敵の状況が攻撃できる状況で、味方の状況が攻撃すべき状況だとわかっていても、地形の条件が攻撃すべきでない場合もある。それがわからなければ、必ず勝つとは限らない。
兵法を知る者は、敵味方の状況や地形のことをよくわかった上で行動を起こすから、兵を動かして迷いがないし、戦って苦しむこともない。だから「敵情を知って、味方の状況も知っていれば、勝利は難しいことではない。天候と地形のことを知っていれば、勝利は決まったようなものだ」と言われるのである。
これが現代語訳になります。
「兵を知る者は動いて迷わず」の解説
「兵を知る者は動いて迷わず」は孫子の「地形篇」の中にある言葉の一つで「兵法を知る者は、敵味方の状況や地形のことをよくわかった上で行動を起こすから、兵を動かして迷いがない」という意味です。
物事に対処する時、経験や勘だけで行動してはいけません。取り巻く状況は一つではなく、刻一刻と変わります。最新の状況をしっかりと把握し、考察した上で行動すれば、途中で迷うことなく勝利することができるのです。