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勢とは利に因りて権を制するなり
孫子の名言
今回は、孫子の兵法の一節で名言の一つでもある「勢とは利に因りて権を制するなり」という言葉について見ていきたいと思います。
「勢とは利に因りて権を制するなり」の一節
将わが計を聴くときは、これを用うれば必ず勝つ、これを留めん。将わが計を聴かざるときは、これを用うれば必ず敗る、これを去らん。計、利としてもって聴かるれば、すなわちこれが勢をなして、もってその外を佐く。
勢とは利に因りて権を制するなり。
「勢とは利に因りて権を制するなり」は、孫子の兵法の第一章「計篇」で出てくる一節です。この「勢とは利に因りて権を制するなり」の一節を現代語に訳してみましょう。
「勢とは利に因りて権を制するなり」の現代語訳
将軍が私の計略を聴き入れるならば、必ず勝つであろうからその地に留まる。将軍が私の計略を聴き入れないならば、必ず負けるであろうからその地を去る。私の立てる計略の有利さを理解して聴いてくれるならば、「勢」が生じて戦いを外から助けてくれる。
勢とは、有利な状況を見抜き、その時々に臨機応変に対応することである。
これが現代語訳になります。
「勢とは利に因りて権を制するなり」の解説
「勢とは利に因りて権を制するなり」とは「勢」の言葉の説明ですが、有利な状況を見抜いて臨機応変に対応することを孫子は「勢」と呼んでいます。
孫子は軍師・参謀ですが、状況に応じて良い策を立てても、実行部隊の構成員やその長がその策を聞き入れる耳を持つかどうかによって成否が変わってきます。参謀の言を信じてくれるなら臨機応変な策も生きますが、信じてもらえないなら策は生かせず失敗に終わることになるでしょう。
優れた参謀や策を生かすも殺すも組織の人次第ということです。