この六者は敗の道なり|孫子の名言

孫子の兵法

この六者は敗の道なり

今回は、孫子の兵法の一節で名言の一つでもある「この六者は敗の道なり」という言葉について見ていきたいと思います。

「この六者は敗の道なり」の一節

ゆえに兵には、走なるものあり、弛なるものあり、陥なるものあり、崩なるものあり、乱なるものあり、北なるものあり。

およそこの六者は、天地の災にあらず、将の過ちなり。それ勢い均しきとき、一をもって十を撃つを走という。卒強くして吏弱きを弛という。吏強くして卒弱きを陥という。大吏怒りて服さず、敵に遇えば懟みてみずから戦い、将はその能を知らざるを崩という。将弱くして厳ならず、教道も明かならずして、吏卒常なく、兵を陳ぬること縦横なるを乱という。将、敵を料ることあたわず、小をもって衆に合い、弱をもって強を撃ち、兵に選鋒なきを北という。

およそこの六者は敗の道なり。将の至任にして、察せざるべからず。

「この六者は敗の道なり」は、孫子の兵法の第十章「地形篇」で出てくる一節です。この「この六者は敗の道なり」の一節を現代語に訳してみましょう。

「この六者は敗の道なり」の現代語訳

兵士の中には「逃亡する者」「気持ちが緩む者」「気持ちが萎える者」「崩れる者」「乱れ者」「敗走する者」がいるが、これら六つのことは、自然の災害ではなく、将軍の過失によるものである。

  1. 逃亡する者:味方と敵の勢いが同じ時、十倍の敵と戦うなら兵は逃亡する。
  2. 兵士たちが強いのに、管理する役人が弱いと兵の気が緩む。
  3. 管理する役人が強くて、兵士の弱いと兵の気持ちが萎える。
  4. 役人のトップが将軍の命令に従わず、敵に遭遇しても自分勝手な戦いをし、将軍もまた彼の能力を知らない場合、軍は崩れる。
  5. 将軍が弱腰で厳しさがなく、軍令も明確でなく、役人と兵士たちとの関係にもきまりがなく、陣立てもでたらめであれば、軍は乱れる。
  6. 将軍が敵情を分析できず、少ない味方で多数の敵と戦い、勢いにまさった敵を攻撃し、軍隊の先鋒に精鋭がいなければ、敗走する。

これら六つの事柄は、敗北についての道理である。将軍の最も重要な責務として熟慮しなければならない。

これが現代語訳になります。

「この六者は敗の道なり」の解説

「この六者は敗の道なり」は孫子の「地形篇」の中にある言葉の一つですが、この一節で戦いに敗れる時の六つの道理を説明しています。

具体的には、指揮官のミスによって引き起こされる敗因を列挙し、注意を喚起しています。単なる戦術書ではなく、組織の管理など現代のビジネスシーンでも使える内容になっていると言えるでしょう。

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