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令するに文をもってし、斉うるに武をもってす
孫子の名言
今回は、孫子の兵法の一節で名言の一つでもある「令するに文をもってし、斉うるに武をもってす」という言葉について見ていきたいと思います。
「令するに文をもってし、斉うるに武をもってす」の一節
ゆえにこれに令するに文をもってし、これを斉うるに武をもってす。これを必取と謂う。
令、素もとより行なわれて、もってその民を教うれば、すなわち民服す。令、素より行なわれずして、もってその民を教うれば、すなわち民服せず。令、素より行なわるる者は、衆と相得るなり。
「令するに文をもってし、斉うるに武をもってす」は、孫子の兵法の第九章「行軍篇」で出てくる一節です。この「令するに文をもってし、斉うるに武をもってす」の一節を現代語に訳してみましょう。
「令するに文をもってし、斉うるに武をもってす」の現代語訳
だから、兵を指導するにあたっては「暖かさ」 をもって行い、命令するにあたっては「厳しさ」をもって行う。これを必勝の軍という。
法令が普段からちゃんと守っていれば、命令しても民は従うものだ。法令を普段から守っていなければ、命令しても民も従わない。法令を普段から誠実に守る者は、民衆と心が一つになっているのである。
これが現代語訳になります。
「令するに文をもってし、斉うるに武をもってす」の解説
「令するに文をもってし、斉うるに武をもってす」は孫子の「行軍篇」の中にある言葉の一つで「部下を指導するにあたっては「暖かさ」 をもって行い、命令するにあたっては「厳しさ」をもって行う」と言う意味です。
孫子が部下の管理方法として挙げたのは「硬軟を使い分ける」ことです。日頃の指導は優しく接して、いざ指示をする際は厳しさをもって接することで、強い組織を作ることができると説いています。
パワハラがクローズアップされるようになり、厳しさをもって部下に接することが難しい時代になってきましたが、日頃の暖かさをもった指導があってこそだと思います。部下に接する態度は、優しいだけでも、厳しいだけでもいけません。