卒を視みること嬰児のごとし

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孫子の兵法

卒を視みること嬰児のごとし
孫子の名言

今回は、孫子の兵法の一節で名言の一つでもある「卒を視みること嬰児のごとし」という言葉について見ていきたいと思います。

「卒を視みること嬰児のごとし」の一節

卒を視みること嬰児のごとし、ゆえにこれと深谿に赴くべし。卒を視みること愛子のごとし、ゆえにこれとともに死すべし。

厚くして使うことあたわず、愛して令することあたわず、乱れて治むることあたわざれば、譬えば驕子のごとく、用うべからざるなり。

「卒を視みること嬰児のごとし」は、孫子の兵法の第十章「地形篇」で出てくる一節です。この「卒を視みること嬰児のごとし」の一節を現代語に訳してみましょう。

「卒を視みること嬰児のごとし」の現代語訳

将軍が兵士たちを赤ん坊のように思い接して気持ちが伝わると、兵士たちは、将軍に従って深い谷底のような危険な土地にも行けるようになる。将軍が兵士たちをわが子のように思っていれば、兵士たちは、将軍に従って生死をともにできるようになる。

しかし、手厚く遇するだけで仕事をさせず、かわいがるばかりで命令できず、間違ったことをしていてもそれを止めることができないようなら、わがままな子供のようなもので、使い物にならない。

これが現代語訳になります。

「卒を視みること嬰児のごとし」の解説

卒を視みること嬰児のごとし」は孫子の「地形篇」の中にある言葉の一つで「将軍は、兵士たちに対して赤ん坊のように思い接する」という意味です。

指揮官は部下に対し、自分の子供のように思いやりと優しさをもって接することが必要だが、優しいだけではダメで、間違いをしたらちゃんと注意しないと、部下はわがままな子供のようになって使い物にならなくなる、というのが、この一節の趣旨になります。

日頃は優しく思いやりを持って育て、いざという時にはしっかり指導することは、いつの世にも通じる真理だと言えるでしょう。

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