小敵の堅は大敵の擒なり
孫子の名言
今回は、孫子の兵法の一節で名言の一つでもある「小敵の堅は大敵の擒なり」という言葉について見ていきたいと思います。
「小敵の堅は大敵の擒なり」の一節
用兵の法は、十なればすなわちこれを囲み、五なればすなわちこれを攻め、倍すればすなわちこれを分かち、敵すればすなわちよくこれと戦い、少なければすなわちよくこれを逃れ、しからざればすなわちよくこれを避く。
ゆえに小敵の堅は大敵の擒なり。
「小敵の堅は大敵の擒なり」は、孫子の兵法の第三章「謀攻篇」で出てくる一節です。この「小敵の堅は大敵の擒なり」の一節を現代語に訳してみましょう。
「小敵の堅は大敵の擒なり」の現代語訳
用兵の原則は、味方の兵力が敵に十倍するなら包囲し、五倍なら攻撃し、倍なら敵を分断して叩き、対等なら戦い、兵力に劣れば退却し、敵が圧倒的であれば避けて隠れる。
寡兵なのに強気であれば、大軍の捕虜になるだけである。
これが現代語訳になります。
「小敵の堅は大敵の擒なり」の解説
対峙する敵との彼我の兵力の重要性をこの一説では説いています。兵力が敵よりも勝っていれば、より損害の少ない戦法をとって戦い、兵力が劣っていれば戦いを避ける。これこそが「戦いに負けない極意」ということになります。
孫子に書かれていることは至極当然のことではありますが、実際は率いる者の判断ミスで「負けるべくして負けた」例が後を立ちません。
現代のビジネスシーンでも、ライバル社との戦いをする際、彼我の実力分析を冷静にできていないまま弱者の側が強者に戦いを挑んでしまい、あっさり返り討ちにあう場合がほとんどです。
自社の実力を冷静に分析し、実力に合った戦略をとって「小敵の堅は大敵の擒なり」とならないようにしたいものです。