敵の情を知らざる者は不仁の至りなり|孫子の名言

孫子の兵法

敵の情を知らざる者は不仁の至りなり

今回は、孫子の兵法の一節で名言の一つでもある「敵の情を知らざる者は不仁の至りなり」という言葉について見ていきたいと思います。

「敵の情を知らざる者は不仁の至りなり」の一節

師を興すこと十万、出征すること千里なれば、百姓の費え、公家の奉、日に千金を費やし、内外騒動し、道路に怠り、事を操るを得ざる者七十万家、相守ること数年、もって一日の勝を争う。

しかるに爵禄百金を愛みて敵の情を知らざる者は不仁の至りなり。人の将にあらざるなり。主の佐にあらず、勝の主にあらず。ゆえに明君賢将の動きて人に勝ち、成功すること衆に出ずるゆえんのものは、先に知ればなり。先に知る者は鬼神に取るべからず。事に象るべからず、度に験すべからず。必ず人に取りて敵の情を知る者なり。

「敵の情を知らざる者は不仁の至りなり」は、孫子の兵法の第十二章「火攻篇」で出てくる一節です。この「敵の情を知らざる者は不仁の至りなり」の一節を現代語に訳してみましょう。

「敵の情を知らざる者は不仁の至りなり」の現代語訳

十万規模の軍隊を編成し、千里の彼方に外征するとなれば、民衆の出費や政府の支出は、日に千金の出費するほどになり、政府の内も外もあわただしく動き回り、民は道にへたり込み、通常の仕事に専念できない者たちは七十万戸にもなる。数年分の費用を掛けて、たった一日の決戦で勝敗を争うのである。

にもかかわらず、地位やお金を与えることを惜しんで、敵情を知ろうとしないのは問題外である。そんなことでは、人を統率する将軍とはいえず、君主の補佐役ともいえず、勝利を収めることもできない。だから聡明な君主や知謀にすぐれた将軍は、敵に勝ち、成功を収める為に、あらかじめ敵情を察知するように努める。事前に情報を知ることは、鬼や神から聞き出すものでもなく、天界の事象になぞらえてわかるものでもなく、天道の理法とつきあわせてわかるものでもない。人によってのみ情報を知ることができるのである。

これが現代語訳になります。

「敵の情を知らざる者は不仁の至りなり」の解説

敵の情を知らざる者は不仁の至りなり」は孫子の「用間篇」の中にある言葉の一つで「敵情を知ろうとしないのは問題外である」という意味です。

相手の状況を正確に把握することは、戦いの根本です。勝つべくして勝ち、負けない戦いを避ける為にも、情報は何よりも大切であると言えるでしょう。にもかかわらず、情報収集の重要性を理解していない人が多いのは残念なことだと思います。

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