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激水の疾くして石を漂わすに至るは勢なり
孫子の名言
今回は、孫子の兵法の一節で名言の一つでもある「激水の疾くして石を漂わすに至るは勢なり」という言葉について見ていきたいと思います。
「激水の疾くして石を漂わすに至るは勢なり」の一節
激水の疾くして石を漂わすに至るは勢なり。鷙鳥の疾くして毀折に至るは、節なり。
このゆえに善く戦う者は、その勢は険にしてその節は短なり。勢は弩を彍くがごとく、節は機を発するがごとし。
「激水の疾くして石を漂わすに至るは勢なり」は、孫子の兵法の第五章「勢篇」で出てくる一節です。この「激水の疾くして石を漂わすに至るは勢なり」の一節を現代語に訳してみましょう。
「激水の疾くして石を漂わすに至るは勢なり」の現代語訳
激しく速い水の流れが、石を押し流していくのが「勢い」である。鷲や鷹が獲物を襲って、一撃で骨を打ち砕いてしまうのが「節目」である。
そして、戦いが上手い者は、「勢い」が激しくなった時、「節目」の短い瞬間を捉えるのである。「勢い」は弓を引き絞るようなもので、「節目」は一瞬で矢を放つようなものである。
これが現代語訳になります。
「激水の疾くして石を漂わすに至るは勢なり」の解説
「激水の疾くして石を漂わすに至るは勢なり」の一説で、孫子は「軍の勢い」と「戦局の節目」について説いています。
優れた兵法家は、まず「軍の勢い」に注目し、自軍の勢いが激しくなったと見たら、今度は「戦局の節目」を注視して最も効果的と思われる瞬間・場所に戦力を投じて勝利を決定付けます。
「勢い」と「節目」については、現代のビジネスシーンにも置き換えることができます。中規模以上の企業の経営者向きの言葉ではないでしょうか。